2009年 12月 16日
マダム・シルヴィーの料理教室 2009年10月のレポート |
こんにちは。
今日のパリはとてもきれいな青空が広がっていましたが、気温はなんとマイナス3度。
正真正銘の冬がやってまいりました。
吐く息も白いです。
ノエルも近づき、街の人々はそわそわと、私も仕事納めに右往左往しております。
ということで、お待たせしておりました10月の教室のレポートです。
秋まっただ中の10月のメニュー。
いつものように、まずはデザートからご紹介します。
毎年恒例のサロン・ド・ショコラにちなんで、シルヴィーの定番メニューのフォンダン・オ・ショコラです。
生地がざらっとしているのは、小麦粉の替わりにアーモンドパウダーをつかっているからなのですが、さらにスパイスのカルダモンがはいってるのが特徴。
このスパイスは好みのものでいいそうです。
製菓用チョコレートとバターをあわせて溶かしますが、あえて有塩バターを使っています。
加熱時間15分と短めにすることで、中は半生タイプに焼き上がります。
次はメインです。
日本では馴染みがありませんが、ジブロット(gibelotte )と呼ばれるウサギのワインの煮込み料理です。
想像すると気絶しそうですが、ウサギを解体したお肉です。
左奥に見えるのがレバーです。
こちらはウサギの腿肉です。
こちらは、塩気のないベーコン、つまり豚バラ肉ですが、ウサギと一緒に煮込みます。
いつも大活躍の大きな鉄鍋で、まずはタマネギとベーコンを炒めてとりだし、
ウサギに焼き色をつけます。
炒めたタマネギとベーコンを鍋に戻して、辛口の白ワインを注ぎます。
さらに、ローリエやエルブ・ド・プロヴァンスを加え、フタをして弱火で45分間煮込みます。
こちらがエルブ・ド・プロヴァンス。
タイム、ローズマリー、セイジ、フェンネルをミックスした南仏のスパイスですが、
香りもぐっとよくなります。
秋といえばキノコ。
こちらはジロール茸ですが、シャンピニオン・ド・パリ(マッシュルーム)と合わせてソテーし、
鍋に加えます。
こちらはマッシュルームのみの日でした。
そして、別鍋に ルー・ブロン(roux blond)、ブロンド色のソースをつくります。
表紙もすっかりなくなっているおなじみの古書「Je sais cuisiner」をお手本に。
バターをとかし、小麦粉をたして混ぜ合わせ、ブロンド色になったら煮汁を加えてソースにします。
白いルーはいわゆるベシャメルソースになりますが、
私は失敗してブロンド色になってしまうことがありますが、実はルー・ブロンをつくっていたことに気がつきました。ちなみにルーは白、ブロンド色、茶色の3段階があるそうです。
そして、前菜のブレットのタルトを作りますが、
通常のブリゼ生地に、パルメザンチーズを加え、
水のかわりにオリーブオイルを加えます。
フードプロセッサーでまとめた生地は冷蔵庫で30分くらいねかせておきます。
その間にタルトの具を用意しますが、
こちらがブレットという野菜です。日本名はフダン草。
この日のブレットは巨大!ででしたが、50センチ前後のものをマルシェでよく見かけます。
ほうれん草とチンゲン菜をあわせたような葉もの野菜です。
灰汁が強いのも特徴です。
すべてを一口大に切って、オリーブオイルで炒めると、こんなに量がへってしまいます。
もうすでにおなじみになりましたが、
冷やし固めた生地を輪切りにしてバターをぬったタルト型に敷き詰めていきます。
ゆびで生地を押して、隙間をうめるというかんじです。
めん棒で丸く伸ばす手間もいらず、小さいスペースでできるのもうれしいです。
重しがなくても生地が浮かずに焼き上がります。
アパレイユ(ながし生地)にはロックフォールチーズが入ります。
卵とクレームフレッシュを混ぜ合わせておきます。
炒めておいたブレットを焼き上がった生地の上に入れて、
アパレイユをその上から流し込みます。
こちらが焼き上がりです。チーズが焼けた時の独特の香りが漂っていました。
そしていよいよ試食です。
フランスではお菓子だけでなく、食事として塩味のタルトをよく食べますが、
塩気のきいたロックフォールとやわらかくなったブレットのふわっとしたなかみと、
パルメザンチーズの風味がきいてさくっとしたブリゼ生地が抜群の相性でした。
前菜ということで、あえて少なめに盛りつけしたのですが、
「このおいしさならまだいける、、、」というお声もいただいたほどでした。
そして、メインのウサギです。
太めのパスタを添え、ブロンド色のソースをたっぷりかけていただきました。
ウサギもジビエ(狩猟肉)ということで、肉はやや引き締まったいて、煮込み料理に向いているといわれています。白ワインで煮込んでいるので、あっさりとしたお味でしたが、ハーブの香りもきいていて、はじめて食べる方にもおいしい〜とおしゃっていただきました。
最後にデザートのフォンダン・オ・ショコラをいただきましたが、
こちらは、市販のクレーム・アングレーズをかけていただくバージョンです。
ソースがかかっていたほうが、甘み抑えめに感じました。
こちらは、フランボワーズジャムを添えていただきましたが、さらに甘さをかんじました。
生地が半生で、チョコ好きの方にはお勧めの濃厚さ。
ほのかに香るカルダモンの風味がやみつきになる美味しさでした。
そしてなぜか日本酒が、、、、。
こちらは酒匠の参加者の方が日本からお持ちくださったもので、
皆さんで試飲もしていただき、なんとレクチャーまでしていただきました。
日本酒については、知っているようで知らないことがたくさん、、、。
ワインもそうですが、ほんとに奥が深いですね。
日本酒とフランス料理を合わせるコーディネートなどもされているとのこと。
ハタヤマさま、どうもありがとうございました。
10月のメニューはいかがでしたでしょうか?
どの回も満席で、またたくさんの出会いをいただき、楽しく開催させていただきました。ご参加いただいた皆様に深く感謝申し上げます。
今回のメニューは日本で再現しにくいものでしたが、材料のアレンジなどしていただき、お試しいただけたらと思っております。
ノエルメニューもおかげさまで、全回終了させていただきました。
来年1月からの教室はただ今調整中でございまして、変更されることも予想されますが、特にご旅行者の方で参加御希望の方は早めにお問い合わせくださると大変たすかります。
以下の日程の他に追加される可能性もございます。
1月14日(木)もしくは15日(金)
1月18日(月)この日はグループのプライヴェート講座で、満席です。
1月19日(火)
2月9日(火)
御申し込み、お問い合わせは、enrichirparis@hotmail.comまで
お気軽にどうぞ。
また、12月20日から翌年の1月4日までお休みを頂きます都合上、お返事が遅くあることがございますので、あらかじめご了承くださいますようお願いいたします。
追ってノエルメニューのレポートをお届けさせていただきます(キ)
今日のパリはとてもきれいな青空が広がっていましたが、気温はなんとマイナス3度。
正真正銘の冬がやってまいりました。
吐く息も白いです。
ノエルも近づき、街の人々はそわそわと、私も仕事納めに右往左往しております。
ということで、お待たせしておりました10月の教室のレポートです。
秋まっただ中の10月のメニュー。
いつものように、まずはデザートからご紹介します。
毎年恒例のサロン・ド・ショコラにちなんで、シルヴィーの定番メニューのフォンダン・オ・ショコラです。
生地がざらっとしているのは、小麦粉の替わりにアーモンドパウダーをつかっているからなのですが、さらにスパイスのカルダモンがはいってるのが特徴。
このスパイスは好みのものでいいそうです。
製菓用チョコレートとバターをあわせて溶かしますが、あえて有塩バターを使っています。
加熱時間15分と短めにすることで、中は半生タイプに焼き上がります。
次はメインです。
日本では馴染みがありませんが、ジブロット(gibelotte )と呼ばれるウサギのワインの煮込み料理です。
想像すると気絶しそうですが、ウサギを解体したお肉です。
左奥に見えるのがレバーです。
こちらはウサギの腿肉です。
こちらは、塩気のないベーコン、つまり豚バラ肉ですが、ウサギと一緒に煮込みます。
いつも大活躍の大きな鉄鍋で、まずはタマネギとベーコンを炒めてとりだし、
ウサギに焼き色をつけます。
炒めたタマネギとベーコンを鍋に戻して、辛口の白ワインを注ぎます。
さらに、ローリエやエルブ・ド・プロヴァンスを加え、フタをして弱火で45分間煮込みます。
こちらがエルブ・ド・プロヴァンス。
タイム、ローズマリー、セイジ、フェンネルをミックスした南仏のスパイスですが、
香りもぐっとよくなります。
秋といえばキノコ。
こちらはジロール茸ですが、シャンピニオン・ド・パリ(マッシュルーム)と合わせてソテーし、
鍋に加えます。
こちらはマッシュルームのみの日でした。
そして、別鍋に ルー・ブロン(roux blond)、ブロンド色のソースをつくります。
表紙もすっかりなくなっているおなじみの古書「Je sais cuisiner」をお手本に。
バターをとかし、小麦粉をたして混ぜ合わせ、ブロンド色になったら煮汁を加えてソースにします。
白いルーはいわゆるベシャメルソースになりますが、
私は失敗してブロンド色になってしまうことがありますが、実はルー・ブロンをつくっていたことに気がつきました。ちなみにルーは白、ブロンド色、茶色の3段階があるそうです。
そして、前菜のブレットのタルトを作りますが、
通常のブリゼ生地に、パルメザンチーズを加え、
水のかわりにオリーブオイルを加えます。
フードプロセッサーでまとめた生地は冷蔵庫で30分くらいねかせておきます。
その間にタルトの具を用意しますが、
こちらがブレットという野菜です。日本名はフダン草。
この日のブレットは巨大!ででしたが、50センチ前後のものをマルシェでよく見かけます。
ほうれん草とチンゲン菜をあわせたような葉もの野菜です。
灰汁が強いのも特徴です。
すべてを一口大に切って、オリーブオイルで炒めると、こんなに量がへってしまいます。
もうすでにおなじみになりましたが、
冷やし固めた生地を輪切りにしてバターをぬったタルト型に敷き詰めていきます。
ゆびで生地を押して、隙間をうめるというかんじです。
めん棒で丸く伸ばす手間もいらず、小さいスペースでできるのもうれしいです。
重しがなくても生地が浮かずに焼き上がります。
アパレイユ(ながし生地)にはロックフォールチーズが入ります。
卵とクレームフレッシュを混ぜ合わせておきます。
炒めておいたブレットを焼き上がった生地の上に入れて、
アパレイユをその上から流し込みます。
こちらが焼き上がりです。チーズが焼けた時の独特の香りが漂っていました。
そしていよいよ試食です。
フランスではお菓子だけでなく、食事として塩味のタルトをよく食べますが、
塩気のきいたロックフォールとやわらかくなったブレットのふわっとしたなかみと、
パルメザンチーズの風味がきいてさくっとしたブリゼ生地が抜群の相性でした。
前菜ということで、あえて少なめに盛りつけしたのですが、
「このおいしさならまだいける、、、」というお声もいただいたほどでした。
そして、メインのウサギです。
太めのパスタを添え、ブロンド色のソースをたっぷりかけていただきました。
ウサギもジビエ(狩猟肉)ということで、肉はやや引き締まったいて、煮込み料理に向いているといわれています。白ワインで煮込んでいるので、あっさりとしたお味でしたが、ハーブの香りもきいていて、はじめて食べる方にもおいしい〜とおしゃっていただきました。
最後にデザートのフォンダン・オ・ショコラをいただきましたが、
こちらは、市販のクレーム・アングレーズをかけていただくバージョンです。
ソースがかかっていたほうが、甘み抑えめに感じました。
こちらは、フランボワーズジャムを添えていただきましたが、さらに甘さをかんじました。
生地が半生で、チョコ好きの方にはお勧めの濃厚さ。
ほのかに香るカルダモンの風味がやみつきになる美味しさでした。
そしてなぜか日本酒が、、、、。
こちらは酒匠の参加者の方が日本からお持ちくださったもので、
皆さんで試飲もしていただき、なんとレクチャーまでしていただきました。
日本酒については、知っているようで知らないことがたくさん、、、。
ワインもそうですが、ほんとに奥が深いですね。
日本酒とフランス料理を合わせるコーディネートなどもされているとのこと。
ハタヤマさま、どうもありがとうございました。
10月のメニューはいかがでしたでしょうか?
どの回も満席で、またたくさんの出会いをいただき、楽しく開催させていただきました。ご参加いただいた皆様に深く感謝申し上げます。
今回のメニューは日本で再現しにくいものでしたが、材料のアレンジなどしていただき、お試しいただけたらと思っております。
ノエルメニューもおかげさまで、全回終了させていただきました。
来年1月からの教室はただ今調整中でございまして、変更されることも予想されますが、特にご旅行者の方で参加御希望の方は早めにお問い合わせくださると大変たすかります。
以下の日程の他に追加される可能性もございます。
1月14日(木)もしくは15日(金)
1月18日(月)この日はグループのプライヴェート講座で、満席です。
1月19日(火)
2月9日(火)
御申し込み、お問い合わせは、enrichirparis@hotmail.comまで
お気軽にどうぞ。
また、12月20日から翌年の1月4日までお休みを頂きます都合上、お返事が遅くあることがございますので、あらかじめご了承くださいますようお願いいたします。
追ってノエルメニューのレポートをお届けさせていただきます(キ)
by enrichirparis
| 2009-12-16 09:30
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